いものびと講座 2-1 ダクタイル1 (組織) www.asaichuzo.com

「ダクタイル鋳鉄」は,球状黒鉛鋳鉄の別称です。
読んで字のごとく,鋳鉄中の炭素(黒鉛)が球の形になっています。
その組織写真を示します。
左側がダクタイル鋳鉄,右側がねずみ鋳鉄(FC200)です。

ダクタイル(FCD450)

ネズミ鋳鉄(FC200)

写真の黒い部分が黒鉛であり,その周りにフェライトと呼ばれる鉄の組織, 素地の部分がパーライトと呼ばれる組織です。
左右を見比べると,明らかに黒鉛の状態が異なります。

普通の鋳鉄,主にねずみ鋳鉄中の黒鉛の分布状態は化学成分のほかに, 溶解条件,冷却速度その他多くの条件によって変わるため, はっきりと特定することはできませんが,一般に右の写真のように, 片状(たくさんの筋状)の組織になっているものが多く, そうでなくても,黒鉛の結晶が不規則に,いくらか連なっている場合がほとんどです。

そのため,普通鋳物は力が加わったときに,その炭素の結晶部分を発端として, 脆性破壊が起こります。
炭素の結晶部分は,鉄の部分と比較すると結合力が小さいために, 簡単に割れてしまうのです。

それを克服したのが「ダクタイル鋳鉄」なのです。
先ほどの組織写真からわかるように,黒鉛の結晶が球状で, 独立しているために黒鉛が連なって破壊することが少なくなり、 普通鋳物にはほとんどない「伸び」がでるようになります。

「伸び」ることによって引っ張り強度も増し、強い鋳物になったのです。